日高町議会、風力発電に関する町長への質問(2024年6月一般質問より)
2024年6月13日、日高町議会にて風量発電に関する一般質問がありました。
傍聴してきた記録と内容を、要約して記載します。
西岡 佳奈子 議員が町長に対し、一般質問を行いました。 風力発電に関する質問に対し、町長の主な回答は
- この計画は町として推進はしていない。
- (事業者の)調査結果に基づいて慎重に対応。
- (風車位置が)決まっていないのでわからない。
という内容でした。
議会だよりにも一般質問の内容が要約されて記載してありました。
議会だより:令和6年7月25日 178号記載
http://www.town.wakayama-hidaka.lg.jp/docs/2014090500409/files/gikai_178.pdf
Q: 風力発電を推進している立場なの?
町長: 推進しているという考えはない。 全町民の生命と財産を守ることが使命なので調査結果に基づいて慎重に対応。 町民の生活や健康に影響を与える事があってはならない。
Q: 方法書がダウンロードや印刷できない状態になっていた。住民に十分認知されていない状態で「住民への理解」を求めるのには不十分だったのでは?
町長: 方法書については立場ではないが催促する。
風車の位置が決まっていないから林地開発は県と相談して決める。
Q: 風力発電の建設は確定していますか?
町長:決定したものではない。
Q: 日高町の計画基数は何基ですか?4 - 5基と聞いていますか?
町長:はい
(疑問:そんな説明無かったよね?なんで今までの説明会書類に書いてないの? ※その後開かれた6月15日、6月22日の区民説明会にて設置予定数が示されました。
Q: 計画範囲の地権者を明確にしてFIP事業申請が必要ですが所有者は?
町長:1個人2団体。今後、調査の中で風車位置など詳細が示される。
西岡:1個人、2団体に加えて町有地があることを確認しておく。
補足:おそらく、2団体は原谷区と萩原区の森林組合のこと。
Q: 環境影響評価書について答弁する立場ではないのはいかがなものか?
町長:住民が閲覧できない現状は誠実な立場ではない。
Q: 風力発電による健康被害についてどのように認識されていますか?
町長:環境配慮書に対する意見として「適切に調査予測し、配置などについて十分検討すること」と県に出している。
Q: 低周波音による影響についてはどう認識してますか?
町長:個人差が有り、未解明な部分も多い。「最新の事例・知見を参考に検討を」と県に出している。
Q: 方法書が出たけど意見に変わりは無いの?
町長:考え方に変わりはありません。
Q: 全国各地で健康被害が出てるけど、当町でも健康被害がおこるかもしれないという認識は?
町長:これから調査していくとのことなので、それをうけて考えたい。
Q: 町は責任を持てるか?
町長:事業者が考えていかなければならない。
Q: 町として町民に何か影響があった時に何か対応できますか?
町長:これから調査に入って影響が起こらないように事業者に求めたい。住民の立場で考えていきたい。
Q: 計画を知らなかった。住民の声は役場にどのように届いていますか?
企画まちづくり課長:3回の説明会があった。
1,2回目は原谷、萩原の人を対象。
3回目は全体ということで地方紙、広報誌に掲載した。
けれど、知らなかったという話はたくさん聞いている。
事業者にも相談して知ってもらう機会を作っていく。
補足:2キロ以内に荊木が入っている。 1キロ圏内にも多くの人が住んでいる。 事業者が1,2回目説明したのは土地所有者だと判断した地区。
Q: 荊木はあらゆる手続き面で同意は必要ないという事業者の認識か?
企画まちづくり課: 事業者からは土地所有者の同意ということで、原谷・萩原で説明会をした。
今後、林地開発については、位置や水の流れ方など色々ある説明が必要になると認識している。
Q: 調査して林地開発許可に関わる人を判断していく。つまり、現時点では町として利害関係者について判断していないということ?
町長: 場所がはっきり決まってないからということです。
企画まちづくり課: 今から調査して場所がはっきりわかってくる。
西岡:町として判断していないということですか?
町長:はい、そうです。
Q: 事前の説明会もあり原谷、萩原は一定理解が進んでいる。住民の意見は林地開発の段階でも意見を示せる。
原谷・萩原以外の人が意見を示す場所が必要だと思う。
原谷・萩原、それらの地区以外の人の意見も町長が意見を汲み取って町の意見に反映させる必要があると思う。してくれますね?
町長:事業者に説明会などを開いてもらう必要がある。 いろいろな意見を把握し、今後の調整の中で話していきたい。
Q: 林地開発、土地の所有者は契約を結ぶことになる。
隣接の土地の所有者や利害関係者の同意も必要になる。利害関係者が誰かを今後判断しなければいけません。
しっかり調査をして山の尾根を切った時のため池への影響、そこから水をとっている田んぼへの影響も含め判断が必要。
利害関係者をどう特定していくか?
企画まちづくり課: 林地開発者が事前に協議をして決める。設置場所が決まった中で、慎重に考えていかなければならない。
※利害関係者:自治会、土地改良区、水利組合、漁業協同組合
西岡:原谷・萩原そして荊木をはじめとして、計画区域から2キロ圏内に多くの民家があります。生活があります。
加えて、内原保育所が1キロ、内原小学校が1.1キロの距離となっています。
この距離というのは、全国各地の健康被害が訴えがされている距離です。山を切り開くことによる土砂災害の危険性もあり、生活環境、自然環境を破壊するような計画、企業の設けを優先で事業を進めるということはあってはならないと考えます。
再生可能エネルギーだといっても私達の暮らし、健康、自然環境、それが損なわれるような再生可能エネルギーというのは求めるものではありません。
この計画については、受け入れるべきではないと言うふうに考えます。
議会を傍聴して
計画がどんどんと進んでいくのに対し、住民に対しての説明が不足している部分があるように感じました。
また、風力発電の計画について、町は知っているのに住民には知らされていない内容があるのでは…?
例:風力発電機の設置数(4〜5基という内容は議会の後の区民説明会で初めて住民に対して話が出てきた)
と感じる部分もありました。
町は「住民の立場で考えていきたい」、としているのであれば、そのような町だけが知っているような内容にはせずに積極的に情報を住民に周知、公開してほしいものです。
また、住民からの様々な心配の声や、不安に思う声にしっかりと耳を傾けて住民の意見を受け止める姿勢でいてほしいと感じました。